コーカサス

バンディドスのコーカサスのレビュー・感想・評価

バンディドス(1966年製作の映画)
4.0
異端か、正統か―。

かつて仲間だったビリー(ヴェナンティーニ)に両手を撃たれ、二度と拳銃を握れなくなったマーティン(サレルノ)は、ある日出会った青年リッキー(ジェンキンズ)に銃の手解きをし、復讐を託す。

『荒野の用心棒』でキャメラマンを務めたマッシモ・ダラマーノの初となる監督作品は、小粋なオープニングからテンポの良いストーリー展開、クールな映像とセンスある構図の連続で、今もカルト的な人気を誇る傑作だ。

ハリウッドの西部劇を“正統派”と呼ぶのなら、イタリア発のマカロニウエスタンは、いかにも劇画的で娯楽に徹した“異端系”と云ってよい。
しかし、その劇画タッチの映像に冴え渡るガン・アクション、また銃や衣装などの小道具は、時として正統派以上のリアリティを持たせ、この“隠れた傑作”に至っては、マカロニというある意味自由な発想のもと作られた、異端でもあり正統でもある優れた作品と云えるだろう。

24 2022