horahuki

悪魔の受胎のhorahukiのレビュー・感想・評価

悪魔の受胎(1979年製作の映画)
3.3
スーパーパワーお母さん!

タイトル通り、悪魔(エイリアン)に妊娠させられたヒロインが身体的に超強化&凶暴化!😱宇宙船の他のクルーたちを1人ずつ血祭りに上げていく『エイリアン』の変種的SFホラー。攻撃する時に何故か確実にハラワタを狙って行くヒロインさんの偏執的なフェチズムに笑っちゃう!!🤣

『タイムワープゾーン』のノーマンJウォーレンだけあって、スリルを産み出そうとする志が一切感じられないノッペリ演出ながらも、『エイリアン』というよりバーヴァ『バンパイアの惑星』からの影響が顕著なビビッドな色彩に彩られた映像や闇の中に埋没していくかのような悪夢イメージは割と好み。

冒頭から赤と白の対比が徹底され、白の空間に赤のアイテムと照明、思考の許容を超えたような緊急事態感を演出する魚眼みたいな広角レンズでのパンだったり、Blu-ray化にあたりリマスターされたであろう映像の魅力を感じられるところが多かった気がする!でも被写体との中途半端な距離感に固執してるところに何の意図があったのかはサッパリわかんなかった😂

そして、やたらと大口を開けて叫ぶヒロインさんの詰め物モリモリな治療済みの歯に気がいってしまって、宇宙系SFなのに妙な現実味?絶妙なご近所感?みたいなのが溢れ出してて堪んない!流石のリマスター!!歯にも余念がない!

表情を押し殺しながらも目の奥に何かを感じさせる控えめながらも狂気に満ちたヒロインさんの表情の演技も地味に良かった。この正気の感じられない無表情の中に鬼気迫る強迫観念みたいなものを両立させるジュディギーソンさんはもっと評価されるべきだと思う!!

そんで、「一対」の神話的に人の二面性の話にしたかったんだろうし、『バンパイアの惑星』に『ローズマリーの赤ちゃん』を加えてなぞろうとしたのだろうけれど、ある程度はその演出を意識してはいるものの一緒にいた男とヒロインさんの深掘りを全くしないからこの辺りが完全に死んじゃってる気がする…。そんな感じのポンコツではあるんだけど、切って捨てることのできない魅力がたっぷり詰まった感じが結構好き。この監督ってそういう謎の魅力あるよね😂というか検閲が厳しかったはずの当時のイギリスでコレはなかなか頑張ってる方なのでは?
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