垂直落下式サミング

続ある愛の詩の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

続ある愛の詩(1978年製作の映画)
4.1
泣きの涙で大ヒットした一作目に比べると批評的には散々な二作目だが、私は本作の方がずっと好きだ。
「愛とは決して後悔しないこと」とは、なんとキザなセリフなんだろうと、本作を観るまで私はこの言葉を誤解していた。
これは、「愛したことを後悔しない」というようなバカップルが彼氏彼女同士でお互いに言い合いそうなことを言っているわけではなく、「愛のある営みの一瞬一瞬を充実させることこそが人生だ」ということであって、いつ振り返っても、どんなことがあっても、自分の人生に自信を持ち、それをけっして後悔しないという「生き方」を表していたのだと、本作をみたあとでは違った印象になって胸に刺さった。
なぜこのように思ったのかというと、本作は一作目では肯定的に描いていた主人公の視点から反転させ、あの時もっと何かやりようがあったのではないかと、今度は物語を「後悔」の眼差しで見つめているからだ。
自分達だけで孤立した幸せを獲得しようとした一作目よりも、より多くの人とのふれあいのなかにこそ人生の意義を見出だそうとする二作目のほうに、私は強く共感させられるのだ。