学生時代になぜか先輩と2人で観に行った映画。
SFファンの上に、それまで映像化されることの少なかった人間と寸分違わない人造人間(死語?)が登場するということで、観に行く前からとても楽しみだった。
この作品で、フィリップ・K・ディックの存在を知った。
時代設定がとてもリアルで、漢字が氾濫する世界。日本ではなく中国の影響が濃い近未来。
クリーンなイメージで描かれることの多かったSFにおける未来像が根底から覆されるような世界観。
30年前でいうと、東京ではなく、大阪の下町。北京ではなく上海の裏通りのような雑然とした、しかしとても「生」エネルギーを感じるような世界観。これに興奮した。リアルに感じた。
最後の最後、設定された寿命を迎える直前のレプリカント(扮するは、大好きなルトガー・ハウアー)が、デッカードを片手で掴んで助けるシーンは、とても印象に残った。よく一人で真似したものだ。
このシーン、主役なのに悪役に助けられるということで、とても話題になっていた。
バンゲリスの音楽も印象的。
思い出深い映画の一つ。