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日本女侠伝 血斗乱れ花のodyssのレビュー・感想・評価

日本女侠伝 血斗乱れ花(1971年製作の映画)
3.5
【男優たちの競演】

DVDにて。
藤純子主演、日本女侠伝シリーズ第4作。

今回は明治の中期に時代を設定し、最初だけ大阪、その後は北九州が舞台。
大阪で父が始めた店を、婿(津川雅彦)を迎えて継いだヒロイン(藤純子)。
ところが夫は北九州で新しい石炭の鉱脈を見つけることに熱中。

結局ヒロインも夫の夢を叶えてやろうと観念するのですが、新しい鉱脈が発見された直後に落盤で夫は死んでしまう。
そこでヒロインが夫の跡を継いで炭坑主に、というのが序盤の筋書。
「女だてら」に炭坑を取り仕切る藤純子の姿が見もの。

例の如くヒロインを妨害する悪い炭坑主や石炭問屋が出てきますが、それを救うのが健さん。
このシリーズ、第一・二作で高倉健が藤純子の相手役だったものの、第三作では菅原文太に代わっていました。この第四作は高倉健が復活。

高倉健以外にも男優が揃っています。
彼の父で炭坑の鉱脈を判定する専門家が水島道太郎、死んだ夫の友人で陰に陽にヒロインを支えるのが山本麟一、悪役のボスが大木実、石炭運搬の船問屋でヒロインと悪役の間に挟まれて懊悩するのが天津敏・・・などなど各人各様に活躍しています。

炭坑という舞台は第一作にも出てきましたし、悪役の仕掛けも共通で、もう少し脚本に工夫が欲しい気もしますが、男優たちの競演で持っている映画と言えるでしょう。
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