円柱野郎

レナードの朝の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

嗜眠性脳炎によって数十年間も意識の無かった患者達。
新任のセイヤー医師がパーキンソン病向けの新薬を試み、意識を取り戻した患者達との交流を描いたひと夏の物語。

良心の医師役にロビン・ウィリアムズ。
眠りから覚めた患者にロバート・デ・ニーロ。
二人の名演には文句などあろうはずもないが、特に“30年後に目覚めた少年レナード”役のデ・ニーロはさすが。
症状のシーンも相まって、終盤のダンスシーンはジーンときます。
舞台は精神病棟だけど、生々しさよりはどこか穏やかな感じの描写が多くて落ち着いて観られる。
しんみりした映画であるので、精神病棟のリアルさよりもそういう作風にはあった雰囲気を優先したという感じなのかな。

眠り続ける患者を起こしたこと、治療を試みたことは、確かにこの患者達にとって生きることの喜びを感じ取れた一瞬であり、それは幸せだったろうと思う。
けど薬に耐性が出来て再び元の無意識状態になっていくという現実は非常に残酷で、そういうところで医療というテーマについて考えさせられたりもしました。

でも周りの人間も少なからず影響を受け、レナードから背中を押された形のセイヤー医師の変化など、良い感動を与えてくれる作品でもあります。
円柱野郎

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