このレビューはネタバレを含みます
セイヤー医師の思いつきから投薬が始まり、30年の眠りから目覚めたレナード。
他の人よりも先に薬を飲み始め、みんなの未来のために自分が実験台になると、どんな辛い瞬間であってもセイヤー医師にカメラを回させたレナード。
目覚めた瞬間は小学生。
鏡を見て自分に失った時間があると知る。
薬が効かなくなってきていることに気づく。
自分にはもう朝が来ることがないかもしれないと察する。
どんなに辛いことだろう。
再び痙攣や硬直が戻ってきてしまって、名前が書けない、一つの場所を注視し続けられないから本が読めない、好きな人とご飯が食べられない...
彼女に別れを告げることがレナードにとってどれほど辛かっただろう。
別れを告げた後、彼女がレナードの手を取り食堂で踊った瞬間、その瞬間だけ痙攣がなくなったのは、きっと彼女がレナードの意思だから。
周りのみんなもレナードと同じように再び眠りについてしまうけれど、短時間だとしても戻って来れたことは幸せだったんじゃないかな。
眠りについた後でも、起きていた間に知ることができた彼らの生き様を看護師さんたちが守ってくれたはず。
セイヤー医師は他の患者様もレナードたちと同じように助けたかったはず。もちろん、レナードたちももっと目覚めさせていてあげたかったはず。誰よりも親身になって尽力したからこそ、セイヤー医師も辛かったはず。
健康に生まれて育って、思ったように動けて、当たり前に朝が来ること。
感謝しないと。