30年間時計の針が止まってしまっていた人々。そしめ、その針を再び動かした人々。
どちらも僕の想像の範疇を超えている。それゆえに、おそろしく、また興味を惹かれる。しかし、製作者もまたその関心と畏敬以上のものを超え得ていないように思えた。
デ・ニーロはいうまでもなく、ロビン・ウィリアムズがとにかくすばらしい。このぱっとしない医師の冴えなさと葛藤とそして変貌とを描くことは並の役者にはできない。
しかし、どうしても物語は医師の成長物語以上のものにはなり得ないことに、無力感を感じる。むろん、そうして医師は、いや人は成長していくほかないのだが、そのとき患者は、他者は、どこへいってしまうのだろう。そのことに、思いを馳せなくてはいけない。これは批判ではなく、自戒である。この映画が与えてくれたものである