この手の話、アルジャーノンの花束(また全くの別物だけど)という小説を読んだ時と近いものを感じて、やっぱり私は一度彼が目覚めた世界(私たちが普段生きている世界)をどう思ったかがすごく気になった。
それが、
「私は彼らに人生を与えた後に奪ってしまったのでは」
と言ったセイヤー先生の気持ちを感じるからだった。親切だって言えるのだろうか、その世界を知ってしまって戻れないと感じるレナードに申し訳ないというその想いが分かるからだった。
でも目覚めた世界で彼がいきいきしてどれだけの希望もち、素晴らしいものを目にし、出会えただろう、と考える。
人間が人間であるように生きるとは、些細ですごくシンプルなことなのに見落としがちだその大切さを分かっちゃいない、目を覚ました彼が訴えるそのとても簡単なことに私はハッとさせられた。