映画おじいさん

若様侍捕物帖 呪いの人形師の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

-
サスペンスあり、笑いあり、歌ありの娯楽作で楽しかった。火サス並なのかも知れないけれど、私くらい鈍感な人間には犯人探しも楽しめた。

等身大のフィギュアを集めるのが趣味という前田丹波守。劇中、変わった道楽もあったもんだと言われているが、早い話が変態だ。
そのコレクションが収容されている蔵の中の画が良かった。あの人形たちを活かして『DOLLS』(←もちろんブライアン・ユズナの方)な展開だったら傑作になっていたはず。

罪人に重罰を与えたら犯罪が減るかと思ったら、まったく効果なしで、さらなる不幸を産んだだけ。それを反省し、その政策が産んだ孤児の楓・野上千鶴子を我が子のように育てた前田丹波守は実はメチャ良い人なのでは。それでも命を狙われる。誤解は怖い。

やたらアップされていた野上千鶴子は小松菜奈にも通ずる今っぽい顔の美人なのにあまり知られていない女優さん。生まれる時代を間違えた、と言ったら失礼か。

ラスト、ベロベロの若さま侍が、料亭の女中に膝枕してもらいながら「人は他人の過ちばかり責めて、自分のは忘れる…」とか、ちょっとイイ事を独りごちながら、女中を香川京子と間違えて名前を連呼するところ、最高。並んだ手ぬぐい逆ホウキのアップ。

変に必要な役より、こうやってマスコット的に登場する香川京子の方が好き。香川京子の歌が二回(三回?)でてくるけど、あれは吹き替えですよね?