囚人13号

あしたのジョー 劇場版の囚人13号のレビュー・感想・評価

あしたのジョー 劇場版(1980年製作の映画)
4.5
出崎統との差別化を図るためこのスコアだが、やはり150分も短すぎる。2においては権藤がエキストラであったように本作では紀ちゃんがそうで、しかしアバンタイトルからずっと号泣。

巷ではダイジェストだなどと噂されている本作だが、テレビアニメ51話=約1020分を150分まで短縮したのだからこれは歴史上でも群を抜いて狂っていると言っていい。
しかし原作を愛し、テレビアニメを愛している者に言わせればどこをどうやっていじったのかくらいすぐ分かるし、ライセンス交付のための強硬手段に成功して帰ってきたジョーとそれを支える西の赤色の服が揃ってたりする気配りも素晴らしい。

力石が白湯を気持ちだけ頂きますと言って捨ててしまう、涙無しには見られぬあの名シーンでのコップから流れ落ちる濁った白湯の美しさは『2』冒頭の墓参りシーンで墓石に彫られた名の起伏に沿ってゆっくりと流れつつ日光に反射して輝く、あの水滴へ継承されていく。
囚人13号

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