浅見ベブ彦

蟻地獄作戦の浅見ベブ彦のレビュー・感想・評価

蟻地獄作戦(1964年製作の映画)
4.0
北支前線の重要拠点である東平橋を八路軍に奪われ、そこを奪還せんと集められた決死隊が、まるでまとまりのない一癖も二癖もありそうな顔ぶれで早速ウキウキさせてくれる。
当然道中も匪賊に武器を奪われたりゲリラの襲撃を受けたりとトラブル続きなんだが、オシの孤児や敵捕虜が一人二人と仲間になっていく。

前作「のら犬作戦」は「独立愚連隊」のテイストに近かったが、こちらは「独立愚連隊 西へ」を思わせるような喜劇要素をたんまり詰め込んだような感があり、堺左千夫と柳谷寛のドタバタなやりとりや、とにかくキャラ立ちした面子を見ていくだけでも楽しいのである。
その上でクライマックスには東平橋のロケセットにおけるダイナミックな戦闘にただただ酔いしれる、アクション好きにも後悔させない娯楽色豊かな戦争活劇でした。

作戦シリーズ最終作だが、娯楽映画として手抜かりなく全霊がこめられた作品で、やま猫・のら犬がお気に召さなかった方でも、こちらは楽しめる出来になってると思う。