KaZui

ロスト・イン・トランスレーションのKaZuiのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

💬ソフィア・コッポラ監督作品。東京を舞台に、CM撮影の為に来日したハリウッド・スターのボブ・ハリス(演:ビル・マーレイ)と写真家の夫に着いてきたシャーロット(演:スカーレット・ヨハンソン)が出会い、絆を深めていく様子を描いている。外国人から見た日本、東京という感じが描写や撮り方から溢れていて、日本人としては新鮮な気持ちだった。また、当時の東京の空気感を(さほど知らないにも関わらず)懐かしく感じてしまったのはソフィア・コッポラの手腕を褒めるべきだろう。友情とも恋愛ともつかない親密さを深めていくふたり。元々、“浮気もの”は好きではないのだが、恋愛に捕らわれない男女の絆みたいなものは好みなので、2人の雰囲気は好きだった。だからこそ、ラストシーンのハグまでは良かったのだが最後にキスをしたのには困惑した。そもそも、大学を出たばかりの若い女性が父親ほどの男と恋愛に発展するだろうかという気持ちもある。元々、年上好きならともかく、彼女は若い写真家とすでに結婚までしている。海外では挨拶でキスをすることもある一方で、日本ではキスのハードルは高い。最後のキスシーンに納得するためにかなり海外のキス事情について調べてしまった。口へのキスが特別な意味を持つのは事実。ただし、ハリウッド映画でおなじみのディープなキスではなかった。私の解釈としては、2人の親愛と別れを象徴するための締めくくりとしてのキスだったのではないかと思う。それはやはり、恋愛に捕らわれず、多くの意味を含んだ感情を互いが整理するために必要だったものだ。個人的には、ハグと耳元での囁きで十分だったと思うけれど。

初鑑賞:2023年12月2日
鑑賞方法:動画配信サービス(Hulu)
2023年254本目。
12月4本目。

🗣おすすめされて観ました。
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