はちべえ

ロスト・イン・トランスレーションのはちべえのレビュー・感想・評価

3.8
・異邦の地で、積み上げてきた過去が揺らぎ、アイデンティティを喪失、孤独になる2人。2人は孤独のままに繋がる。
・足の傷→トーキョーでつけた傷、そこで、2人の間に了承された傷(彼はそれを触る)──共有された傷の思い出、スリッパから覗く指に彼女はその姿を見る

車から見る街並みは、去っていく、捕まえることのできないものである。そのなかに彼女を発見し「捕まえる」ことのロマンス。

孤独の話、思い出の話、映画館で観る学生最後の映画としては、時季を得ていたかもしれない。12年間持ち続けた学生証を明日、手放します。

「今まで慣れ親しんだ生き方はもうおしまい 二度と戻らない」
悲しさだけの言葉ではなく。