桃

ロスト・イン・トランスレーションの桃のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2024年4作品目。

シネマート心斎橋での
ソフィア・コッポラ特集にて鑑賞。

ビル・マーレイ、下り眉から漂う哀愁具合が絶妙。
スカーレット・ヨハンソン、瑞々しい。こんなこと言ったら変態ですが、お尻が綺麗。

外国人からみた日本が色彩鮮やかに
描かれる。

そして、最近個人的に「さみしさ」を
テーマに考えていた中で、
日本独特の村文化・仲間うちのノリ・ハイコンテクスト過ぎる空間をありあり体感出来たように思う。日本人だけど、しんどかったのはこれなんだよな、と思った。

物語の序盤で、シャーロットが
「僧侶が歌うのも生花も、何も感じなかった」と泣きながら電話をするシーンが印象的だった。
あれは、ハイコンテクストな空間に入りきれず、孤独を感じていたのではないか。
目の前にある世界の入り口のなさに、言葉にし難いさみしさを覚えたのでは、と。

そして、

RLが言い分けられないのって遊んでるんじゃないの?
わけわかんないバラエティで頭おかしいんじゃないの?
部屋狭すぎでしょ(足がぶつかる)

などなど、
日本を別視点でみる面白さが。

あとは、
タイトルにもなっている
翻訳についても気になるところ。

ボブの撮影の時、
監督があれだけ話してたのに、通訳が伝える英語だとこれだけ?

説明すると面倒だから、「空気を読む」ことで、言語化されないハイコンテクストな環境に戸惑うボブ。

訳されていないもの、とは?
翻訳とは?

本当のところで訳すには
コンテクストも要る。
ただ機会的に翻訳して伝えたところで
背景を理解しなければ読み取れないものがある。
そして、それぞれの言語でもニュアンスがある。
なんてところも気になった。

とはいえ、同じ言語同士でも翻訳がいるくらい、文化の差はあるから、翻訳とは、言語のことだけではないのかもしれない。
言語化する前であっても、同じ感覚を感受しあえた者同士でないとわかりあえないこともある。

最後に、風をあつめて、ベースで弾きたいと思った。次のレッスンで弾こう。
桃