牛丼狂

ロスト・イン・トランスレーションの牛丼狂のレビュー・感想・評価

3.0
再鑑賞してみた。
外資系ホテルで滞在させられているふたりのアメリカ人男女の言葉にするのが難しい感情の機微と別れを、東京の情景を織り交ぜながら描く。
こういうのにありがちな体の関係に結びつけずにあくまでお互いに他に愛すべき人が存在しそれを守るテイが絶妙。
個人的にいつもその風景を見ているはずなのに、この映画に映る東京の風景(新宿、渋谷、カラオケ、寿司、パチンコなど)が奇妙に感じられた。
過剰演出はあるにせよこう思わせられたのはすごいと思った。
この映画が、スクランブル交差点が日本のシンボルマークになることに大きく寄与したとのことで、この映画の存在は映画そのもの以上に、この世界に大きな意味を与えたのだと思う。
それにしてもひと昔前の過去の自分のレビューが手厳しくて笑える。歳と共に映画の見方も変わりますね。



2017.4.17

2003年公開。
ソフィア・コッポラが監督。

外国人が見る日本の象徴的なところを過剰演出しているのは心地が良い。
少し違ようなところもあるが、それはさほど気にならない。
異文化・異国語に接したときの孤独感を描くが、それならではの特異性が感じられない。
また、主人公ビル・マーレイの顔が好きでなく、それだけですべて演技をしている演技に見える。
良いところは映像表現だけか。
といってもそれは映画的とは言いにくく、ミュージックビデオのようなもの。
しかし映画に組み合わせるのは面白く、現にそういう表現に成功している映画もある。
いかにも現代人に好まれそうなこの映像表現は、次の時代に繋げられる。
選曲が評価されているようだが、脚本と同じように薄っぺらく聞こえる。
この脚本なら上映時間をもっと短くできただろう。
102分でも冗長に感じられた。
低予算、短期間での撮影には好感が持てる。
牛丼狂

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