原題『切腹』 (1962)
監督 : 小林正樹
脚本 : 橋本忍
撮影 : 宮島義勇
編集 : 相良久
音楽 : 武満徹
出演 : 仲代達矢、石浜朗、岩下志麻、丹波哲郎、三國連太郎、他
滝口康彦の小説『異聞浪人記』を原作とした、井伊家の庭先で、切腹を申し出た侍を通し、武士道の残酷さが暴かれていく、異色の時代劇映画。
原作未読。
「アンチ武家社会」映画。
武家社会の虚飾と非人間性、武士道の残酷性、権力者の体面を取り繕うくだらなさ、などの要素をふんだんに取り入れ、かつて日本人が尊重していたサムライ精神へのアンチテーゼを“切腹”という形で鮮烈に描いた作品。
重厚で緊迫感ある演出、キャスト陣の重厚な演技、ライティングも素晴らしい宮島義勇による隙のない撮影、などが見事な社会派時代劇。
まあ、なんと言っても真剣ではなく竹光での切腹させる残酷さ…
自らの体重を乗せて竹光を腹に突き刺す描写の凄まじさ…
