生き恥を晒すよりは武士らしく、潔く切腹したい。
一言でいうと、圧巻です。
26ヶ月ぶりの満点が出ました。
そんなに数多く見た訳では無いですが、今後の人生でこれを越える武士を描いた作品に出会えることはないと断言できるぐらいに凄まじかったです。
武士が登場する名作映画でよく名が挙がる『七人の侍』『用心棒』『座頭市物語』を見ました。どれも凄く好きな映画なんですが、これほどカッコいい生き様を見せつけられたことは無かった。いや、カッコいいという稚拙な一言で片付けてしまうのは失礼か。
主人公、津雲半四郎が帯びる並々ならぬオーラが画面からひしひしと感じ、あの眼力だけで、こちらまで気圧される。張り詰めた空気に包まれ、画面に釘付けになり、息を飲む。
演出×脚本×演技×音楽、どれを取っても抜群で、ケチの付けようが無い映画でした。構図も美しいです。
サスペンス調で展開する映画なので、未見の方は極力あらすじを見ずに、ご覧になられることを強くお薦め致します。
※U-NEXTで見放題として配信中ですが、あらすじにクレームレベルのネタバレ書いてもうてますのでご注意を。ここまで書いちゃいかんでしょ。
切腹が武士の美とされていた泰平の世に、"武士の在り方" という一石を投じたこの社会派時代劇は、我々が生きる現代社会に対しても問題提起しているように思える。