この映画を劇場で観たときは、子供だったし、予備知識もなかったため、何が何だかわからなかった。
いつになったら何かが起こるのだろうか、と待っていたが、とうとう何も起こらないまま終わってしまった感じ。
今観れば、なるほど、この時代のイタリアの人たちや、思春期の少年の生活を眺めていればいいんだね、と思う。
老人のいつ果てるともない独り言を聴くように、小さな細切れのエピソードたちに身を委ね、ただ、感じる。
あの頃は若すぎて、そんな鑑賞の仕方はできなかった。年をとるのもいいものだと思っておこう。
少年が、押し入れの中に隠してある宝箱のような作品だった。