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フェリーニのアマルコルドのleylaのレビュー・感想・評価

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)
4.3
フェリーニ作品は、ニーノ・ロータの音楽とエネルギッシュなイタリア語の響きを聴くだけで、まず耳から喜んでしまう。

15歳の1年を描いたフェリーニの自伝的作品。春の訪れを告げる綿毛から始まり、深い霧、雪、どの季節も情景が美しく、奇想天外な描写と心地よく調和する。

春の火祭り、手作りの海と豪華客船、女性たちの大きな胸とお尻、木に登る叔父さん、不幸の前触れと言われるクジャクの美しさと神々しさには心射抜かれた。

エキストラという枠を超えて、映る人全てに光を当てるフェリーニの人間愛。ラストの宴と宴の終わりは『8 1/2』にも通じる多幸感と寂寥感があり、観終わって心が満足。
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