あーさん

フェリーニのアマルコルドのあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アマルコルド=私は覚えている

綿毛 舞えば 冬の終わり
レンガ職人
夫婦喧嘩がエスカレート
お祭り 魔女
テオ叔父さん、降りてこない
ファシスト党 ムッソリーニ
豪華客船レックス号に涙する
学校の先生が個性的過ぎる
半ズボンじゃなくて長ズボンが欲しい
グラディスカ
ゲーリー・クーパー
ラ・クカラーチャ
ミランダ
童貞男子の妄想
懺悔
突然、雪の中に孔雀
豆売り男
上沼恵美子似巨乳のタバコ屋の女
女のお尻は最強
大切な人の死
結婚式


ストーリーはあってないもの。
フェリーニ監督の子ども時代の断片的な記憶を手繰り寄せ、映像化したもの、、という感じだろうか。
最初こそあからさまで開放的、激しい歯に衣着せぬ物言いややりとりの応酬をずっと観せられるのかと思ったのだが、、
その世界観に慣れてくるとだんだん引き込まれた。少々下品かと思いきや、ギリギリの所でそうはなっていない。むしろ、フェリーニらしく品位はきちんと保っている。

反発しあいながらも愛おしい家族、
親戚に一人はいる困ったちゃんへの温かい眼差し、
小さな町ならではの癖のあるキャラクター達、
少年達の性の目覚め、、
どんな時代も明るく図太く生きぬく人々の姿が眩しい。
とにかく色んなものがごった煮状態なのだけれど、どこか懐かしく、愛すべき人間達の営みがそこにはあった。

イタリア映画には、私も大好きな"ニュー・シネマ・パラダイス"があるが、流れているものは同じなのではないかと思う。そして、イタリア人はマザコンが多いと聞くが、女性の強さたるや。。
クストリッツァっぽいと書いている方がいたが、私も少しそう感じた。何でもありな所とか、騒々しいブラスバンドなんかね。

日本にも貧しい時代があった。
豊かさや清潔さを求め、お節介を嫌い、今は昔より良い生活を手にしたのかもしれない。
でも、猥雑で厚かましくて鬱陶しい家族や周りの人々に、守られたり助けられている所もあったんだろうな。

どちらが良いとかではなく、フェリーニが自分の子ども時代にふと思いを馳せた時に、今作のような作品が生まれたのだろうと想像する。

アルフォンソ・キュアロン監督の"ROMA"のような、フェリーニにとって、とてもパーソナルな作品。

映画監督が一番撮りたいのってこういう作品なのだろうなって思う。

心地いい。

ずっと観ていたい。。


何度も観たくなる、大好きな作品になった!
あーさん

あーさん