「その中に侵入するのが不可能な形で、近似的にマフィア的と呼べるような連鎖からできているものへと、ますます降りてゆく(sempre più digrada nella impenetrabile forma di una concatenazione che approssimativamente possiamo dire mafiosa) 」というシャーシャの原作を、ロージはみごとに映像化。サルヴァトーレ・ジュリアーノの謎の死に迫った『シシリーの黒い霧』(1961)のスタイルが、ここではいっそう高められていて鳥肌もの。
脚本にはトニーノ・グエッラがいて、音楽はピエロ・ピッチオーニとアストル・ピアソラにショパン。映像もすごい。撮影はパスクワリーノ・デ・サンティス。同じロージの『シシリーの黒い霧』では名撮影監督Gianni Di Venanzoジャンニ・ディ・ヴェナンツォのもとでカメラを操り、『遥かなる帰郷』の撮影現場で亡くなったロージの盟友。ほかにもヴィスコンティやフェリーニの撮影監督としても活躍。