デンマークの英雄2人を描いた作品。
そもそもこの2人は知りませんでした。
歴史的背景はある程度は知っているつもりでしたが、
ホントに上っ面しか知らなかったんだと思い知らされました。
英雄とはいっても、いわゆるヒーローとはまったく異なります。
実に人間。
欲し、悩み、恐れ、苛まれ、、、
それでも、突き進もうとしている姿が、まさに人間。
正義、友情、愛、そして裏切り、、
時代に翻弄された人間たち。
その中で貫いたのは己が信念、そして相棒との絆。
その時代に必死に戦った人間たちが、描かれています。
全体的に暗く重苦しい映像がより、
人間の奥底に潜むおぞましいものを強調しています。
メインの2人を映すシーンが多いのは当然ですが、
狭苦しく感じないのは、おもしろい。
それどころか、2人の心の変化、緊迫感をより表してくれている。
特に、シトロン(ヨーン)役のマッツ・ミケルセンに注目。
先日、『タイタンの戦い』を観たばかりで、
荒々しい印象が残っていたのですが、
これほど繊細な役を巧みに演じているのには、息をのみました。
このシトロンの変化していく様もさることながら、
人間の弱さ、愛、覚悟、そして強さ
本当に画面を通じて伝わってくるのが痛いくらい
大きなはずれのない印象ですが、
やはり史実に基づいたものを観るには
事前に史実を頭にしっかりと入れた方が楽しめるものですね。
自らが信じた正義が揺らいだとき、あなたはどうしますか