真世紀

百年恋歌の真世紀のレビュー・感想・評価

百年恋歌(2005年製作の映画)
4.2
東京フィルメックスのオープニングへ。

前売り発売日にどうしようかとあきらめた東京国際フォーラムの三階席。結局、後日に確認して他の映画が結構、席がまだあることを知り、この作品もついつい手を出してしまう。

だが、体調は良くなく、OPイベントではや、うつらうつらする始末。部分的にしか覚えてません。開会宣言や審査員紹介や舞台挨拶があるも記憶がとびとび。

が、映画がはじまり、スー・チー嬢が出てくるや、眠気はいずこかへ。我ながら現金だ。以後はスー・チー出ずっぱりのため、一睡もせず。まったく我ながら現金。

原題は「最好的時光」。
物語はスー・チーとチャン・チェンの二人が1966、1911、2005年の三つの時代の恋人達を演じるオムニバスのラブストーリー。

兵役の若者がプールバーを転々とする女を探すぎこちなくも瑞々しい(何しろ、二人が雨の中、手を握るシーンがクライマックスなのだ!)1966年のパートに続き、遊廓の芸妓と彼女の馴染みだが、妾に迎えられない男の話がサイレントで語られる。そして現代、カメラマンとライブ歌手(スー・チーけだるい歌もあり)、彼女と同居するレズっぽいそのルームメイトの話が最後にくる。三つのパートの関連はないが、それぞれ「恋愛夢」「自由夢」「青春夢」と夢を冠した副題が付けられている。

本作では三つのキャラを演じ分けるスー・チーが楽しめました。話がどうより、ただただスー・チーとその演技を観ているだけで個人的には幸せでしたね。スー・チー、いつも思うのですが、写真で見るとすごい美人というよりもよく言ってファニー・フェイス。でも映画で観るとその表情や動作に惹きつけられる女優さんです。パートでは、やはり1966年のパートが一番好きです。

なお、スー・チーはこの作品で「第42回台湾電影金馬奨」で最優秀主演女優賞を獲得。

監督の舞台挨拶・質疑についてはフィルメックスの公式サイトで丁寧に起こしているのでここには詳細を書き起こさないが、かなり作品づくりの背景も語り、やはり製作には苦労しているんですね。このオムニバス、企画当初は監督と若手の監督二人が分担する企画だったが、出資条件で折り合わず、自分が全パートを撮ることに。撮影日数も限られ、主役二人が古い中国語を練習する時間がないので1911年のパートはサイレントになったとのこと。

言わずと知れた台湾を代表する監督であるホウ・シャオシェン監督だが、その作品を初めて観たことに気付く。違った作風の三パート。上映後の質問者の方々の感想を聞いたところ、この監督のいわばショー・ケースともいえる作品の模様。

スー・チーにひかれてホウ・シャオシェン参り。
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