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百年恋歌のネットのレビュー・感想・評価

百年恋歌(2005年製作の映画)
4.5
あんまり人気ないらしいけど侯孝賢が一気に好きになった。好きになれてよかった。彼らしいダラダラとした時間はこれくらいタイトな方が好きかも。あとクローズアップが多いのも好き。結局、手紙を手に取る→文面のアップ→それを読む読み手のアップという伝統的な繋ぎが好きなだけ。古典万歳。
チャプターメニューがとても良い。三つのチャプターが全てダイジェスト映像で流れてる。
「恋愛の夢」再会のスー・チーの笑顔、からの晩ごはん。ラストで繋がれる手のクローズアップは信じられないくらいにベタで、二周まわってあんまり良くないのでは。歌が多くて湿っぽすぎるのも玉に瑕だが好きなもんは好き。ビリヤードのシーン、カメラがノープランで動きまくる。キュー→球→人、滑らかな動きに惚れ惚れ。
「自由の夢」カメラは屋外に行かないし、スー・チーがチャン・チェンを接待する部屋には奥行きが存在せず、閉塞感がすごい。たぶん映画史上最もシックなインタータイトル。フラワーズオブシャンハイめっちゃ見たくなった。
「青春の夢」物語は締まってないけどムードあるので好き。蛍光灯の青。この青が好きだから『きみの鳥はうたえる』の青も好きなんだと思う。てゆーか『きみの……』のムードって侯孝賢現代映画のムードなのか。二人の動きもとても魅力的。
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