よし

ホタルのよしのレビュー・感想・評価

ホタル(2001年製作の映画)
3.6
もうすぐ平成も終わるので。

鹿児島の漁村で暮らす夫婦の話。昭和天皇が崩御されて昭和が終わる年、生き残った元特攻隊の人々の人生を描いた映画です。
重いテーマですが、戦争そのものよりも夫婦二人の生活を中心で描いているので‘’戦争映画‘’という感じは受けません。

私は結構感動したのですが、この映画は事実とは異なる部分というか批判もあるようで『監督は天皇の戦争責任を描きたかったが他のスタッフの賛同が得られず』このようなシナリオになった、とありました。そのため、この映画は政治的だという批判があるようです。降旗監督も日本共産党を指示しているそうで、それを知ると『あー、なるほど…』と思う点もあったりします。

ただ、第二次世界大戦当時のことを知らない身からすると何が本当なのか分からないし、特攻隊だった人々だってそれぞれの考え方がある訳なので映画の中で語られた戦争観を持っている人もいるんじゃないかな、と思ったりもします。

全て鵜呑みにするのではなくて、戦争に対する一人の人間の考え方としてこんな考えもあるんだということを知るのは大事だし、それよりも、劇中の山岡夫婦にとって戦争というのはその長い人生の中の一部であって、それ以降の苦しみや困難を二人で生きてきたというところがこの映画の本質であるように思います。

気になっちゃうのは、高倉健の長台詞を一回聞いただけで完璧に訳せちゃう韓国人通訳で、こんな人が本当にいたら天才やん、と思いました。韓国に行ってる部分だけシナリオが適当な感じがしてそこは良くない。
よし

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