風来のリヨナ

シャーロットのおくりものの風来のリヨナのレビュー・感想・評価

シャーロットのおくりもの(2006年製作の映画)
3.1
”SOME PIG”

ここは呆れ返るほど平和な町…サマセット。そんな町のこれまた平和な農場に誕生した11匹の子豚…でも1匹だけは身体が小さく、この先の見込みも無い…と、間引き。…されかけてるところを農場の幼い娘に救われた彼 ”ウィルバー” は、彼女の叔父さんの農場に引き取られることに。

しばらくお世話してくれてた娘ちゃんと離され、孤独に沈む彼に声を掛けるのは、納屋の隅に暮らす一匹の蜘蛛 ”シャーロット” 。小さな友達も出来たことで、精神の安定を得たウィルバーだったが、来るクリスマスに待ち受ける豚の運命を知ってしまう…。悲嘆に暮れる彼のため、シャーロットの編み出した一計とは…みたいな。

あまりにも『ベイブ』な面構えをしてるお喋り動物系ファンタジー!実は『ベイブ』を観てきた動機はこの子がデカかったりします。『ベイブ』懐かし〜…べ…君は誰??

これがなんと!…豚くんほんと何にもしないんですよ。基本、聖蜘蛛シャーロットと聖鼠テンプルトンが、とにかく豚くんのハム回避のために働き続け、豚くんが不自然に担ぎ上げられる不労所得サイクル。そこに納得のいく理由も然程無くて…こう…納屋サーの姫です。ヒメブタ。

そんな風に絶妙に惜しい感じですが、動物らはかなり動きますし、蜘蛛、鼠、豚の組み合わせは確実に唯一無二で面白いと思いました。…というか、豚よりも明らかに ”蜘蛛” と ”ドブネズミ” に監督の性癖を感じるので、彼女らを眺める分には濃厚な癖を浴びられて良いですね。
爽やかなはずなのに悍ましいラストを誰かと分かち合いたい🕷🐷

個人的に気に入ったのは、「動かねえ…この世の物じゃねえ…」とカカシに怯えるカラス、ラストの地獄絵面です。
風来のリヨナ

風来のリヨナ