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性賊 セックス・ジャック いろはにほてとの一のレビュー・感想・評価

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「69年で運動は終ったみたいな感じだったですねえ」「もう世の中がイヤになって全共闘の運動なんかもアレになってきて」と若松孝二が回想する1970年の革命映画。アレなホンモノたちは過激化し、劇中でも交番襲撃やよど号ハイジャックが取り上げられる、そんな時期です。冒頭の代々木公園デモの記録映像はなかなかすごい。主演といっていい秋山道男(未知汚)がとても魅力的。酒も煙草もセックスもやらず一見軟弱に見えるが、実はハードボイルドなテロリズムを内に秘めたミステリアスな役どころ。その一方、1969年の足立正生『性遊戯』では仲良しノンポリ青年オバケ&ガイラとして秋山と共演していた小水一男が、サツに仲間を売る口だけ運動家の役やってて面白い。左翼学生が“満鉄小唄”を歌うシーンは大島渚『日本春歌考』のオマージュ?
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