ジェームズ・スチュアート×シモーヌ・シモンの『第七天国』。シモーヌ・シモンは冒頭からロリータな魅力全開で、「creature like that」感はあまりない。オリジナルのファンとしては正直、主演役者からしてちょっと違うなあと思ってしまうのだが、それ以前にトーキーという仕組みと『第七天国』のお話が相性が悪いように思う。まずもって台詞が多すぎるし、「Chico, Diane, Heaven」というキャッチ・フレーズが、口にするとかなり恥ずかしい。チャールズ・ファレルが「DIANE!」と(字幕で)叫ぶシーンは改変されているが、それは当然のことで、誰もあんなふうに叫ぶことはできないのである。
また、オリジナルのクライマックスである「プロポーズと徴兵が同時に来て、感極まっていちゃらぶ」というシーンも、地味に変更されていて、テンションが今一つなことになっている。