ずっと飽きなかった。
それって大事。ずっと楽しかった。って思われるより難しいことだと思う。
だって、これはそんなに華やかな話じゃないもの。
「おれたちはただのホームレスだ。アクションスターじゃない」
と台詞にもあるように、これはロボットも、魔法も、萌えも、エロスもない、あくまでホームレス3人のアニメ映画なわけで。一見、地味でなんの変哲もないキャラクターたちを使って、ここまでの奇跡を描くことがどれだけ難しいことか。
赤ん坊という存在によって、
良き父親になりそこねた男、
良き母親になりたかった男、
良き娘でいられなかった少女、
の三人の過去が丁寧に語られ、それによって生じた各々の思惑によって物語を展開させていく上手さに感心しっぱなしだった。三人が擬似家族として絆を深めていく過程も可愛いし。
まぁ、展開が都合良すぎるとかの意見もわかるんだけど、クリスマスだけは、それぐらいの奇跡があってもいいんじゃないかな。あの赤ん坊にとって彼らはサンタさんみたいなものだし、いい大人が言うことではないのだろうけど、自分もサンタさんを信じてみたいから。それぐらいの奇跡は受け入れたい。…と、まぁ、そんなふうにちょっとロマンチックな気分に浸れてしまう映画でした。
