「孤独のキネマ」(森田健司)を読んでいて言及があり、懐かしかったので再見。
この映画を始めてみたのは高校の時、とこかの名画座で。1942年=第二次大戦中のアメリカの避暑地の島でのひと夏の体験を回想として描く。
自分の青春期とは時代も舞台設定も全く違うのに、なぜかほろ苦く懐かしい感じが思いだされる名作。
ドロシーを演じたジェニファー・オニールの美しさはもとより、アカデミー賞を受賞したミッシェル・ルグランの音楽、少しもやがかかったような透明感のある撮影など、全編素晴らしい。
終盤、ドロシーの家でレコードがかかり、曲が終わってからは静寂な時間が流れ、ドラマを盛り上げる。この辺の演出も見事。
後年、似たような設定の映画やドラマがたくさん作られたので、今の目から見ると「ありがち」な話に見えるかもしれませんが、この映画が原典だと思いますよ。