富樫鉄火

おもいでの夏の富樫鉄火のレビュー・感想・評価

おもいでの夏(1970年製作の映画)
4.0
#158 ワーナー35mm大会
数十年ぶりに再鑑賞した。
1970年に、戦争真っ盛りの1942年を描くということは、戦争の記憶がある観客が対象だったわけで、それを思うと、単なる青春映画とは、かなりちがう深刻な内容であることがわかる。
あと2〜3年遅ければ、ドロシーの夫はパリ解放後のフランスで生存できたはずだった。
しかし、そのころ、ハーミーは高校を卒業しており、あの一夜はなかった。
そんな運命の皮肉を描いた、ほろ苦い映画だった。

野外撮影シーンが独特な色調で、できればニュープリで観たかった。
デジタル化だと、あの画調は、かなり薄れるだろう。

しかし、この映画館は、一時期の臨時開設だと思うが、それにしては35㎜プリントの上映設備があるとは感心した。
今後もつづけてほしい。
富樫鉄火

富樫鉄火