Brynhildr38

バーレスクのBrynhildr38のレビュー・感想・評価

バーレスク(2010年製作の映画)
3.8
観ると元気になれる。

歌手を夢見るヒロインがロサンゼルスのクラブで働き始め、次第にその才能を開花させていくサクセス・ストーリー。そのストーリー自体は(他に見せたいものあるから)奇をてらわずいたってシンプル、言葉悪く言うと「陳腐」かも。

ただ有り難いことに、この作品は、突然台詞の途中から歌い出すような事はなく、ドラマの部分と歌やダンスの部分が分かれているので、ミュージカル苦手な方でも大丈夫(多分)。

クリスティーナ・アギレラ演じるヒロインのアリが最初に注目を浴びる歌のシーンは、多くのファンに「鳥肌モノ」と評されているが、華奢なあの体の何処から出てくるのかアギレラ姉さんの声量が半端なく、期待を裏切らない。

また、このシーンが一番ライブ感が出ていて、静寂が訪れた後、アリの深くパワフルな歌声がホールに響き、観客席のざわめきが嬌声に転じて、最後に喝采を浴びると言う流れと臨場感に釘付けにされる。

アギレラ姉さん以外の推しキャラについて
スタンリー・トゥッチ演じる舞台監督?のショーンは、粋なジョークを飛ばしながら、テスへの友情、ダンサー達への愛情を垣間見せていて、ちょっと羨ましい役。グラミ-賞とアカデミー主演女優賞を獲得している御大シェールが演じる借金まみれのクラブオーナーのテスは、人の意見になかなか耳を貸さない頑固者だがステージでは歌い上げる声量の迫力が圧巻。キャム・ギガンデット演じるバーテンダーのジャックは、むきむきセクシーで確かにとても優しい男だけど、正直こいつダメだと思う。エリック・デイン演じるイケメン金持ちのマーカスの方が、傍目には真面目に見えるのだが・・・(私だけ?)。ただ、ジャックの彼女の姿を見守る眼差しや、彼女の行動が気になる表情は、とってもわかりみが深い。
それから、アリの敵役のニッキを演じるクリステン・ベルは、この作品では中途半端でイマイチだったけどアナ雪のアナさん(声)ですから。

アリの選択は決して合理的とは思えないものの、この時点で彼女が欲しかった物が何かを理解すれば、まぁ良しとなるし、セクシーな歌姫とダンサーが繰り広げるゴージャスなショーが、そんなことは瑣末と思わせてくれる。

あと、この作品は、私のようにアギレラって誰?という人向けかも。アギレラ姉さんの実力知っていたらあのインパクトは半減するからね。最近ふくよか過ぎてそれも別の意味で衝撃だけど。

いずれにしても、エンターテイメント好きは観ないと損です。(やっぱりあのジャケ・・・どうにかならなかったのでしょうか?)
Brynhildr38

Brynhildr38