てっちゃん

バーレスクのてっちゃんのレビュー・感想・評価

バーレスク(2010年製作の映画)
3.2
異様に評価が高く、観よう観よう詐欺を数年続け、ようやく観ることにした私の中で熟成された作品。

知っていたことは、クリスティーナ・アギレラさんが出演されて、歌って踊っているということ、のみ!!
さあさ、どんな作品なのかわくわく気分で鑑賞開始です。

鑑賞後の感想としては、これはいい話なのか?かなり危うい物語ではないのか?ってこと。
私との相性は合わなかったということだけの問題なのですが。
とりあえず、ここ好き!ポイント羅列していきます。

・さすがはアギレラさん!!
歌も踊りは言うまでもないけど、超絶一流なお方なのでそれだけで大満足ではないでしょうか。
もちろんシェールさんも良かったですね。
この要素だけで観て良かった!と思えました。

以上です。

では、合わなかった点を羅列していきます。

・登場人物に魅力がなさすぎではないでしょうか。

登場人物全員が魅力ないってあるんだ、、と第一に思いました。
私は映画を観るときに、さまざまな状況によって見方を変えているのですが、登場人物が多い本作みたいな場合は、誰かお気に入りの人物を見つけて、その人物目線で見たりするのです。

その人物が見当たらなかったので、全体的に第三者目線で見ることにしたら、個人的感情で動く人物ばかりで腹が立ってきて(真の人間らしいクズらしさが盛り沢山作品は大好物なのですが、本作には、漂う”作られた感もとい偽善的”な感じがしてしまったのです)、必殺頭空っぽモードで鑑賞するとにしました。

すると当然のように、中身が無さすぎ作品だと余計に思ってしまったんですかね。

・もっと裏側見せて欲しかったです。

これでどや!!っと自信満々で出してくるものは、全てが表面的な部分であって、言ってしまえば結果的な部分のみ。

バーレスクって場所のことを全く存じ上げないのですが、おそらくかなり歴史があって、いろんな背景があって、様々な裏側(敢えて言います)の人たちがいるからこそ、表面が輝くものだと思うのです。

その熱量なり、特別感を求める”熱烈なファン”がいる場所だと思うんです。

その裏側を見せずに、結果だけを出してくるもんだから、バーレスクという場所に私は愛着を持ちませんでした。
本作はそういう作品ではなく、アリの話なんだ!と言われる方もいるかもしれませんが、そうだとしたらアリの人間的魅力をだいぶ台無しにしてないか?と思うのです。

裏側があって、表側があるという描写があることを示す描写を、本作みたいな”居場所”を描いている作品なら尚更必要だったのでは?と思わざるを得ません。

・あなたを中心にして世界は廻っているのですね。

あまりにも自分を中心にして世界が廻っていると主張している人たちが多すぎない?
特に恋愛絡みの一連の流れは、この人たちの”幸せ”のために存在する人物がいて、あまりにも気の毒になりましたし、結論は悪者みたいな扱いされているのには不快感しかありませんでした。

他にも、本来とても魅力ある人物として約束されたようなテスもあの様です。
前述した登場人物の魅力のなさは、こうした箇所にも表れているのです。

・あまりにも脚本なり構成が単純すぎやしませんか。

これは本作観た人ならお分かりになると思うので、敢えては言いません。

・けっきょく○○○なのかーい!が多すぎないですかね。

散々、話を広げて、問題を大きくしていって、、、〇〇なのかーい!とツッコミ入れたこと多数。
それをあたかも、良い話、これ求めてたんでしょ?って持ってこられても受け付けられませんでした。

そんな単純というか、その場凌ぎで大丈夫なの?と観ていてハラハラする感じ。
きっとどんでん返しがくるんじゃない?と期待していたら、そんな展開になることもなく、お前らそれで納得すんなよ、、と思ってしまいました。

・時代の変化はありますが、それでもひどくないでしょうか。

これは酷いというか、製作された年代考えても、公開当時でも酷くない?と感じる同性愛を馬鹿にする言動や表現。
というか個人を否定すような言動が目立ち、そこをきちんと訂正する人がいれば、まだ良いんだけどそれすらないから嫌悪感しかない。

・これは下品なエロスだと思うのですが。

世の中に芸術なエロスは存在しますよね。
バーレスクが目指しているのは、芸術的なエロスだと思うのですが、本作では下品が先行しているように感じました。

下品というか、カメラから感じる性的な目線。

これが男性目線から捉えた作品ならその意図は分かるし、アリは明らかにそのような敵を蹴散らす強さを持っているはずです。
なのにこの違和感はなんなのだろうかと感じてしまったのです。
まあこれは個人の捉え方ですけどね。

そんなわけで、私にはあまりしっくりとこない作品でございましたとさ。
てっちゃん

てっちゃん