わたがし

ユーズド・カーのわたがしのレビュー・感想・評価

ユーズド・カー(1980年製作の映画)
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 面白すぎる。意図的に倫理の終わった男を主人公に物語を作ったんではなくて、面白い物語というのを捻りに捻った結果こういう主人公になったというロジックが感じられて味わい深い。演出も、その後のゼメキス映画と比べるとユルいけど贅肉が全くなくて感動する。20代でこれなあ
 カート・ラッセルもすごい。人懐っこさと狡猾さのバランス、喋り方と表情から滲み出る胡散臭さ、でも嫌いにはなれないという、こういうキャラ造形もここまで的確にやると、どんだけ劇中で人を騙そうが埋めようが映画としては「いい話」に化けるんだという感動がある。もちろん演出とセットでだけど
 ラストも良すぎて鳥肌立った。長編映画であんなセコい成長ドラマある??これが興行的に失敗して、そっからブランクあっての復帰作がロマシング・ストーンとかBTTFみたいな癖のないキャラ造形主体映画になってるところまで込みで面白い。映画作りは難しい
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