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パリ、ジュテームのmocomocoのレビュー・感想・評価

パリ、ジュテーム(2006年製作の映画)
3.6
1話約5分と短いので気軽に観れるのが良い。また有名な俳優がちょこちょこ出てくるのでそれも楽しみ。

好きな作品はアルフォンソ・キュアロン監督の「モンソー公園」。二人の俳優の会話で観客は想像をめぐらせるが、最後に肩すかしを食らわされる。これぞ短編映画の醍醐味だ。

そして一番好きなのはアレクサンダー・ペイン監督の「14区」。パリに1人観光旅行で来たアメリカ人女性。勉強してきたフランス語を使ってパリの街を楽しむ、ふと公園でベンチに座りながら自分の人生に思いを馳せる。決してもう若くはなく、異国の地でただひとり、ふとさびしさが押し寄せるが同時に生きる喜びにも気づく。そして自分の人生を愛おしく思うのだ。他の誰でもない自分自身の世界にたったひとつの人生を。ドラマチックなことは何も起こらない、日常の何気ない平和な公園の風景の中で、ここまでぐっとくる心情を描き出せるのは並外れた表現力である。
この作品を観て一気にアレクサンダー・ペインのファンになった。これに出会えただけでも「パリ・ジュテーム」を観て本当に良かったと思う。この「14区」のみについて言えば★4.5
これが好きな人は「ネブラスカ」もおすすめです。
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