高岡尚司

クローズ・アップの高岡尚司のネタバレレビュー・内容・結末

クローズ・アップ(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画好きの主人公の青年は妻に逃げられ失業者であった。バスでお金持ちそうなご婦人に映画監督のマフマルバフだと嘘をつき、家に招かれ、ごはんをご馳走になり、お金も受け取る。

裁判で、嘘をつかれたことに腹立てるお金持ちの家族に対し、映画への愛を語る彼の純粋そうな瞳や笑顔が、余計に悲しくなりやるせない。

ラストで本物のマフマルバフに会い、号泣してしまう。会えた嬉しさと自分のやった過ちに情けなくなったのだろうか。

映画への愛が彼を雄弁にさせ、犯罪者にまでさせてしまった。この事件をきっかけにキアロスタミに映画を撮らせたのだから、彼にとっては過ちを犯し後悔してるとはいえ、この上なく幸せだっただろう。
高岡尚司

高岡尚司