Dakota

127時間のDakotaのレビュー・感想・評価

127時間(2010年製作の映画)
2.7
・過酷体験 負けずに肯定
〈あらすじ〉
登山家のアーロン・ラルストンが、いつものように渓谷でクライミングを楽しんでいる時だった。手を付いた弾みで崖の間に挟まっていた岩がはずれ、崖下に落下した。岩と崖に右腕が挟まれて身動きがとれなくなったアーロン。アメリカのユタ州にある広大なブルー・ジョン・キャニオンの渓谷で、助けが来る可能性は限りなく低い。抜け出すまでの127時間もの間、一人もがき続ける…。

▼作品はアーロンの実体験が基になっている。尿を水代わりに飲んだり、脱出のためにナイフで右腕を切り落とすことになるなど、過酷な体験だった。それにも関わらず彼は最後、事故現場に向かって「ありがとう」とつぶやく。この事故に絶望することなく肯定的に受け止める姿が印象に残った。

▼食料と水が底を突き死を悟る中で、アーロンは家族や友人への思いを強くしていく。この事故をこれまでの行動を改めるチャンスとしても捉えた。いつも行き先を告げずに登山などに出向くため、今回、救助が見込めない状況を自ら作り上げてしまった。「俺の人生は生まれて以来、毎日のあらゆる行動がここ(事故)へとつながっていた」と教訓を学び取った。

▼アーロンの体験はとても過酷で、彼のように前向きに捉えることは難しいだろう。ただ、失望や落胆するだけでは何も生まれない。どんな失敗も次へとつなげられる彼のような強さを持ち合わせていきたいものだ。

▼アーロンは事故後も変わらずに登山やクライミングを楽しんでいるという。行き先は必ず伝えているそうだ。
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