なお

007/ワールド・イズ・ノット・イナフのなおのレビュー・感想・評価

3.4
007シリーズ第19作。
本国アメリカでは1999年の公開だが、日本では公開が少し遅れたため、2000年代最初の007シリーズ作品となる。

✏️シリアス路線ふたたび
ユーモアさと硬派なスパイ・アクションのバランスが絶妙であった過去2作と比べ、本作はどちらかというと「ハード」よりな作風。

またアクションシーンも、物語冒頭のボートチェイスがピークな印象。
それ以降のアクションシーンや戦闘シーンは過去作の焼き直しのような、地味で画面映えしないようなものが多い。

ストーリーも過去2作と比べると若干複雑で難解。
また今回世界の平和を脅かすテーマとなっているのも、ピアース・ブロスナン版のみならず過去作にて何度も扱われてきた「核の危機」を取り扱ったものであり、意外性や新鮮味に欠ける。

ボンドガールの活躍シーンが乏しいのも個人的にはマイナス点。
どことなく工藤静香に雰囲気が似ているソフィー・マルソー演じるエレクトラ・キングは最終的に本作のヴィランとして君臨するのでまだいいが、ボンドと行動を共にすることになるもう一人のボンドガール、クリスマス・ジョーンズ(デニス・リチャーズ)に目立った活躍はない。

『美しき獲物たち』以来のスキー・アクションを久しぶりに拝めたのは良かったかな。

✏️Q ⇒ R
本作でのトピックはやはり、ボンドに様々なガジェットを支給し、その戦いをサポートし続けてきた”Q”ことデスモンド・リュウェリンの引退。

”初代”ボンド、ショーン・コネリーが主演を務めた『ロシアより愛をこめて』に出演依頼、約40年に渡り一癖ある天才科学者・Qを演じ続けてきた彼の姿を見られるのが本作で最後となってしまうのは感慨深いし、やはり寂しい。

Qの役目は後継者の”R”に引き継がれ、Qは2つの教訓をボンドに授ける。
1.敵に弱みを見せないこと
2.常に逃げ道を用意しておくこと
スパイだけでなく、どこか人生の教訓としても通ずるところがあるような…

その後デスモンドは不運にも車同士の交通事故によりこの世を去ることになり、本作が彼の遺作となった。

☑️まとめ
過去2作が個人的に大ヒットだった反動か、本作はそこまで点数が伸びず。

ただ唯一、ボンドが劇中で使用していた透視サングラス。
全男子の夢ともいえるあのアイテムはマジで欲しいですね。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★★☆☆

🎬2023年鑑賞数:7(1)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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