ひろ

ダーク・シャドウのひろのレビュー・感想・評価

ダーク・シャドウ(2012年製作の映画)
2.8
1966年から1971年に放送されたゴシック・ソープオペラ「Dark Shadows」を原作とし、監督ティム・バートン、主演ジョニー・デップで映画化された2012年のアメリカ映画

ティム・バートンとジョニー・デップのコンビも8回目。さすがにマンネリ化してきたというか、ワンパターン過ぎる気がした。バートンのダーク・ファンタジーは大好きだけど、いつも奇抜なジョニー・デップが主人公じゃ代わり映えがない。それでもある程度の満足感があるとしたら、やっぱりこの二人のことが好きなのだろう。自分たちが楽しみながら、映画ファンを楽しませようという姿勢を感じるからこそ、いつも二人に期待してしまうのだ。

ソープオペラというのは、日本でいう「昼ドラ」のこと。安っぽいドラマに、ドロドロした展開というイメージだが、これはゴシック・ホラーをベースに、コミカルとドロドロをミックスした感じの作品だった。エグいシーンと笑えるベッドシーンのギャップがあり過ぎてどっち付かずな印象だった。思いっきりホラーにするかコミカルにするかにしたら面白かったかも。

昼ドラの映画化なのに、キャストはやたらと豪華だ。奇抜なジョニー・デップはお腹いっぱいだが、悪女のエヴァ・グリーン、初々しいベラ・ヒースコート、衰えない美しさミシェル・ファイファー、生意気さがキュートなクロエ・グレース・モレッツ、期待の子役カリヴァー・マグラス、公私でバートンを支えるヘレナ・ボナム=カーター、トレスポのシック・ボーイことジョニー・リー・ミラー、フレディなのに使用人ジャッキー・アール・ヘイリー、吸血鬼といったらクリストファー・リー、なんで出演してるんだアリス・クーパーと、豪華にもほどがある。それなのに物足りないのは、原作のキャラクターが出来上がり過ぎているからだろう。役者の個性をあまり感じなかった。

いままでのバートン&ジョニーなら、確実に大ヒット作になりそうなプロットだっただけに、現在の映画界の厳しさを感じる。日本でもキムタク神話が崩れ去り、人気だけじゃ見向きもされないようになってきたが、映画でもワンパターンじゃ通用しなくなってきている。どうせ、このコンビはまた組むんだろうから、次は思いっきり方向性の違う映画を製作したら面白いかもしれない。
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