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祭りの準備のxoのレビュー・感想・評価

祭りの準備(1975年製作の映画)
3.0
土着的な会話や行動の数々。
映画用に加工された感じがないというか、妙な生々しさがあってヒリヒリする。

地方出身者としては、正直田舎は今でもこんなもんだと思う。。
男尊女卑がベースにある社会。女性は男性性を内面化。
「正しいこと」を言う人は野暮とされる。倫理や人権よりも世間体や私利私欲。
映画やら音楽やら文化的なものに対しては無関心がデフォルト。
長期的な夢や理想を抱くよりも、現実の今日や明日を生きるための人生。

本作は、そうした地方の現実をよく再現している(この映画の頃生まれてないから知らんのだけどね…)と思うし、全編にある渇いた感じはスリリングに感じる。

中盤のエグい展開は「岬の兄妹」を想起。
知的障害者の彼女をとりまく人権無視な発言の数々は、結構生々しいというかリアルだと思う。
ただある出来事を境に突然存在感が消えるのはチグハグな印象を受けたし、あの"変化"はどうなのって思った。。
竹下景子と主人公の関係も、結局さしたる心の動きもないままに、ご都合主義的なところにつまらなく落ち着いちゃった気はする。

個人的には"童貞のムラムラの生々しい欲望"をフィーチャーしたものを見たかった気分。
お母さんの抱く、息子への愛情に見せかけた執着/依存ぶりは面白かった。
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