宮台真司氏がたびたび例に挙げる映画なので見てみた。
まさに宮台真司氏の世界観がそのまま描かれている作品であり、「理屈はわかるけど実態はどうなんだろう？」って疑問に答えるには良い作品だった。
一方それは『性的退却が進んだ私』にとって理解し難い作品ということでもあり、所々登場人物の心情や行動原理がわからない面もあった。
今まで疑問に思ってなかったが、もしかしたら現代の作品は理屈によって構成されすぎてるのかもしれない。つまり撮りたい展開や撮りたいシーンがあり、『このキャラクターはこういう設定のため、こういう行動をとる』『このシーンでこの説明があったために、この行動をとる』と逆算してシナリオを構成しすぎているのではないか。もちろんどうやって作られたかは想像でしかないが、自分にはそうした理屈っぽさが本作からは感じられなかった。
別に見ていてすごく面白いとか、見終わった後すごく気分が良いとかではないのだが、なぜか心に残り、もう一度見たいと思った作品だった。
