クリーム

祭りの準備のクリームのレビュー・感想・評価

祭りの準備(1975年製作の映画)
3.9
パンチの効いたドラマでした。面白かった。やっぱり、ATG作品は楽しい。南国土佐の小さな村が舞台で、家族もご近所さんも皆、常識がズレてるのが、驚きと共にワクワクでした。

信用金庫で働く楯男は、東京へ行き脚本家になりたかった。父は女癖が悪く、家にいない。楯男は母と祖父の3人暮らしで、母は楯夫だけが生き甲斐だった。父の愛人にお前の父の荷物を持って行けと投げつけられ、楯男は父の別の若い愛人の元へとそれを運ぶ。隣の中島家の娘タマミが大阪から帰って来た。キャバレーで働いていたタマミはヤクザと関係を持ち、ヒロポン中毒にされて帰って来たのだが…。



ネタバレ↓



タマミは、薬のせいで完全にイカれており、話は通じず、誰かれ構わず、ヤりまくる。夜になると海のボートでSEX三昧。ある日、意中の涼子に恋人がいると知りショックを受けた楯男は、ボートに行き、タマミとやっていると背後から、俺のモノだと退かされた。男の顔を見ると祖父だった。タマミが妊娠すると誰も寄り付かなくなり、祖父だけが、タマミの面倒を見て、自分の子供だと言った。タマミは、赤ん坊を産むと正気に戻り、祖父を嫌った。祖父は、自殺した。
父の愛人も脳溢血で亡くなった。
父が戻って来ると母は、冗談じゃないともう1人の愛人の元に父を連れて行き、面倒を見て欲しいと頼んだ。
楯男がスーツを仕立てをお願いしている男の家に行くと返事がなく、中を覗くと彼は実母とSEXしていた。
タマミの兄の利広は殺人の疑いをかけられ警察が探していた。
そして、恋人に振られた涼子は、楯男を誘惑しSEXする様に仕向けた。涼子は、楯男の会社の宿直室へまで夜這いに来て、夜中に火事を起こしてしまった。上司に非難され、涼子にも失望した、彼はいよいよ東京行きを決意した。
母に別れを告げず、東京へ向かう。たまたま、駅にいた利広に金をせがまれ、渡すが、利広は楯男の東京行きの話を聞きお金を返した。そして、大きな声で楯男を見送るのだった。

色ボケ親父とイカれじいさん、薬中で誰とでもヤりまくるタマミ、仕立て屋親子の近親相姦、欲求不満炸裂の村。母は、息子を自分の所に置いておきたい。皆、欲望に忠実な人達の集まり。凄いエネルギッシュな村でドン引きだが、こう言う世界観は、他人事として観るとめちゃくちゃ楽しい。ラストは、何とか村脱出に成功する楯男だが、見送ってくれた利広が、まともに見える怖さ…。面白かったです。この時代のコンプラ関係無しの作品は、ホント楽しい。だけど、楯男にはあの血が流れてるんだよなぁ…。

*針さん、ありがとう♪︎
クリーム

クリーム