爆裂BOX

スーパーノヴァの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

スーパーノヴァ(2000年製作の映画)
3.1
宇宙を航行中の医療船ナイチンゲール299が突如救難信号を受信する。しかし、クルーが向ったその星は生命の存在しない死の星だった…というストーリー。
ウォルター・ヒル、フランシス・フォード・コッポラ、ジャック・ショルダーら名だたる監督が製作にかかわった物の完成には至らず、監督としてクレジットされなかった曰く付きのSFサスペンスです。ここでは監督名載ってますが、DVD等に乗ってる監督名義「トーマス・リー」は「アラン・スミシー」と同じ架空の監督名です。
その星から医療船に接近してきた脱出ポッドに乗っていた青年トロイを収容するが、トロイと彼が船に積んでいた謎のエネルギー体によって異変が起き始めるという内容です。
宇宙空間や宇宙船のVFXやセットなどはお金をかけてしっかり作ってありますね。ただ、演出がSちぐはぐに感じられたりSF設定とかみ合ってないように感じられる部分が結構ありますね。医療助手の尖塔パイロットの格好したロボットフライボーイや女性型コンピューター「スウィーティー」等のギミックは機械だけど可愛げあって良かったです。特にスウィーティーがいつも交流してるクルーが死んだ事告げる時の悲しげな感じは切なくて良いですね。
救難信号受け取ったナイチンゲール号は次元ジャンプという方法使って信号の発信源まで向かいますが、船長がジャンプに備えて入るカプセルと一体化して物体Xみたいなグチャドロ状態になったり、燃料タンク破損して大量の燃料損失して更に小惑星と衝突の危機に見舞われたりしますが、見てるこっちにはよくわからないうちに二つの危機を潜り抜けちゃうんですよね。しまお、船長が死んだばっかりなのに梨入りブランデー飲んでセックスしたり、いちゃついて「子供持とうな」とか言ったり全然悲しんだりショック受けてる感じがしないんですよね。船長死ぬって相当ショッキングな出来事だと思うけど。こういうちぐはぐな感じの演出続きますが、これは複数の監督が演出手掛けたせいかな。
そこに脱出ポッドに乗った謎の男が現れて、そのポッドに乗っていたエネルギー体巡ってクルー達やトロイの間で議論になったりしますが、この「9次元エネルギー」もイマイチ凄さが分らない。長く触れて影響受けると若返ったりパワー上がったりするし、ビッグバンのような凄まじい爆発起きるようですがなんかピンときませんでした。
主演のジェームズ・スペイダーはまだ若くて体つきもマッチョでした。主人公の副船長ニックは何かの薬害から復帰したばかりみたいだけど、これも重要そうでそうでもなかったですね。ヒロインの医師役でアンジェラ・バセット、クルー役でルー・ダイアモンド・フィリップスにその恋人でロビン・タニー、船長役でロバート・フォスターとキャストは地味に豪華です。ただ、彼らのキャラはニックとヒロインの会話で最初にサラッと説明されるだけで深掘りされる事もなかったですね。ロビン・タニーは恋人といちゃついてて、謎の男トロイの裸見て発情してこっちとも関係もつという完全なお色気要員キャラでヌードも披露してます。
船に乗船してきたトロイも、やる事と言えばナンパに精出してて単なる女好き野郎という感じでしたが、本性現す後半からはどんな攻撃喰らっても傷が治る不死身のサイコ野郎になります。その正体は最初から伏線張ってるんで「だろうね」という感じでした。
トロイがクルーを殺し始め、生き残った者との戦いが始まる後半はスリラー色強くて楽しめました。
何とも言えない空気のあるエンディングも個人的には良かったかな。
特典の未公開映像が結構多かったりする所も製作のゴタゴタ感じさせますが、B級SFスリラーとしてはまあまあ楽しめる作品ではないでしょうか。