バナバナ

理想の結婚のバナバナのレビュー・感想・評価

理想の結婚(1999年製作の映画)
4.2
ジュリアン・ムーアの悪女ぶりが秀逸です。
自分が投機したニセ投資話で儲けるために、若き実力派の政治家を強請るチーヴリー夫人。
過去の行状で、彼女に強請られる政治家アーサー。
アーサーの妻で、チーヴリー夫人と同級生らしい、貞淑で潔癖で頑固な淑女、ガートルード。
そして、アーサーの親友、大貴族の息子で女垂らしの遊び人、ゴーリング卿。
この4人の政治を巡る駆け引きと、後半の、アーサーの妹も加わる恋愛模様の擦れ違いの二重構造が面白いです。

特にジュリアン・ムーアのチーヴリー夫人が下級貴族の出らしく、若い頃から伸し上がる為には平気で人を裏切って、操ってきたんだろうな、と思わせる数々の嫌らしい策略が見事でした。
そして、彼女の過去を知っているらしい潔癖なガートルード(ケイト・ブランシェット)の、目線だけで見せる嫌悪感。

脚本自体も面白いのですが、上流階級の水面下のバトルの様子を、俳優さん達のちょっとした仕草や目線だけで表現して、火花を散らせている演技合戦も、楽しむことができました。
オスカー・ワイルドの戯曲が原作だそうですが、ロンドンでは100年前から、こんな高度な舞台を上演してたなんて、やっぱりレベル高いと思いました。
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