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バッド・エデュケーションの一人旅のレビュー・感想・評価

バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)
3.0
ペドロ・アルモドバル監督作。

新進気鋭の映画監督と神学校時代の親友の過去と現在を紐解くドラマ。

スペインの名匠ペドロ・アルモドバルによるミステリー風味のドラマ。1980年のマドリードにおいて映画監督エンリケの前に少年時代の親友イグナシオを名乗る舞台俳優が姿を現したことを発端として、両者の隠された関係性と悲劇、そして謎に満ちた青年イグナシオの正体に迫っていきます。過去と現在を交錯させた構成が特徴的で、現在から過去の記憶の場面に切り替わる際には画面のサイズを縮小させています。

神学校における神父の児童への性的虐待というスキャンダラスなエピソードを織り交ぜつつ、エンリケとイグナシオの過去と現在を深く掘り下げていく作劇で、自身も神学校出身のアルモドバルの実体験が反映された半自伝的作品に仕上がっています。

イグナシオを演じたガエル・ガルシア・ベルナルの、男性なのに艶っぽい演技が出色であり、邸宅のプールでエンリケ役のフェレ・マルティネスと裸で水遊びするシーンは映像的に凄烈です(股間のモッコリをフォーカスしたショットには戸惑いますが…)。イケメン男性同士のイケナイ関係は自身も同性愛者と公言しているアルモドバルらしい描写と言えますが、同時に清楚系ガルシア・ベルナルと脂テッカテカの薄汚い中年おやじの路チューまで繰り出される、腐女子すら歓喜しないであろうゲテモノ趣味まで全開であります。
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