イワシ

ハメットのイワシのレビュー・感想・評価

ハメット(1982年製作の映画)
3.8
ジョセフ・バイロックによる陰影の濃い画面にも関わらずフィルム・ノワールになり損なっている。しかし、そのなり損ないの部分こそが面白い。肺病持ちの作家の肉体はアクションシーンでぎこちなく動くしかないのだが、タイプライターが代理として運動をする。ラストは『エド・ウッド』を連想した。

某シネマハスラーの人が何かと中学時代の失敗談とセットで語る映画だけど、かなり面白かったしもっと言えば好きな映画でもある。劇中に見られるやる気のない『マルタの鷹』オマージュよりも、ヴェンダース個人が捧げたアメリカ映画へのオマージュキャスティングにグッとくる。あと、冷蔵庫の上に赤いヤカンがあった気がする。
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