レオン

ごろつきのレオンのレビュー・感想・評価

ごろつき(1968年製作の映画)
3.8
見逃し 高倉健 & 菅原文太 2大スター共演作♪(★平均3.4 UNEXT見放題)
今作は「仁義なき戦い」の5年前で、二人のネームバリューにはかなりの差があった頃の作品。 文太さんはまるで健さんの引き立て役の様なキャラで後のイメージとは大きく異なる。

高倉健さんは任侠役をやるまではビッグヒットに繋がらなかったが、デビュー後から主演を演じていたスターだった。 が、菅原文太さんは、今作の翌年ぐらいからようやく下積みを抜け出し、準主演・主演とランクを上げていった苦労人である。

今作はいわゆる任侠物と違い、二人は東京で一花咲かせようとする若者(当時37歳だが^^)で、健さんはなんとキックボクサーをめざすという変わり種ストーリー。 (あの「キックの鬼」の沢村 忠もカメオ出演している♪)
途中からヤクザが絡むが、文太さんはその健さん支える控えめな弟分的役で人に頭を下げるシーンも多く、少し唖然としてしまう・・。

が、子供時代のエピソードや、腹を空かせた二人におでんをご馳走するシーン等、ほろっと目が潤む描写が時折。
この時代の作品のよさは、とにかく登場人物がひたむきで、好きになれる人物が多数登場する。

主演健さんはもちろん(なぜか夜には"流し"をやって、名曲「唐獅子牡丹」や「網走番外地」等も聞かせてくれる♪)、そのおでんを気を遣わせず振る舞った親分・ボクシングジムの社長・その娘・・等々魅力ある人物描写がよい♪

ただボクシングシーンは素人のスパーリングの方がよっぽどマシでは?と思えるほど滑稽に見えるのは、まあご愛嬌か♪ (当時、健さんは1年に10作も出演していた事もあったようで、1作に十分なリハーサル等出来なかった可能性が大)

まあラストはいつも通りで、それほど凝った物語でもないが、私的には久々にこの時代特有の"味"を感じて、心にじわ~と広がる物が残りました♪

稀少な作品をレビューで教えて頂いた、Shoさんありがとう御座います。
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