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エヴァの匂いのiPhoneのレビュー・感想・評価

エヴァの匂い(1962年製作の映画)
3.6
エヴァは似てる。ラストのエヴァの「惨めな男...」は本当にこの一言で全てを物語っている。エヴァは悪くない。実際この我儘商法で儲かっていて、それを好き好んで買う懲りない、偽物作家タイヴィアンが悪い。
「イヴの総て」を思い出す。あとマリリンモンローも思い出す。ヘルタースケルターも少し思い出す悪女ぶりと、豪華絢爛な自室にくつろぐ唯一無二の良い女。悪女というのは魅力があり過ぎるのにそれを持て余してぞんざいに自分も他人も生かしていること。エヴァは超高級娼婦、個人営業。このエヴァ役のジャンヌ・モローは稀代の美人。こんなに綺麗で、魅せる人現代にいるかな?と思うくらい。裏切られる女、フランチェスカがエヴァに顔だけなら劣らぬ美人なのも良い。女も男も顔だけじゃない。オーラとそこに宿る魂と考え方、動き方、台詞だと思う。
白黒が本当に綺麗で、見られた。エヴァもエヴァで人を振って幸せなわけじゃなく、それが仕事だから真っ当に仕事をしているだけ。
彼女が横暴だと人は言うが、私はそうは簡単には思えない。何故ならそれでいて横暴にされたとする人々は悦んでついていくんだから。優しくされて幸せにならない変態も世の中にはいて、それの欲求を埋めているだけでは?

やっぱり白黒映画の上質さ好きだなあ。良いもの食べてお腹いっぱいなのに気持ち悪くない感じに似てる。一球入魂で本気度が感じられるのも好き。
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