とぽとぽ

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
考えるな

虚無。新たな人生のスタート、あるいは終わりのない終わりとしての終着点。『蛇の道』のまま娘を殺された父の復讐劇から始まるのだが、高校の同級生・岩松との再会から38歳にしてヤクザに鞍替えする哀川翔。おや、今回はどこか様子が違うようだぞ。何が起こっているのか、何を見せられているのか観客には分からない中でも、その淡々とシュールにヘンテコな語り口トーンが病みつきになるオフビートさ、からの突然の暴力バイオレンス描写。そこにカタルシスなどはない。主体性なく言われるがままするけれど、なぜそれをするのかは分からない。大杉漣さんなど、演技も爆笑を誘う。大の大人がローラースケートやフリスビー、あるいは釣り、化石探しなど遊びに講じるさまは、北野武作品みたい。編集、画のつなぎに、ショット内の隔てた壁、距離など画作り。子を喪った親の深い哀しみ、夫婦間の溝や違和…など根底には色々と感情も事情も渦巻いているのだろうが、少なくとも作品の表面的にはそうした部分をあまり表立っては掘り下げない。ダンカン目に血糊入ってなかった?あれ大丈夫なのかな

参ったな〜すごいすごい!
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